腕時計に興味がない方でも、「ロレックス」の名前は一度は耳にしたことがあるはずです。スイスで生まれた高級腕時計のブランドとして世界的な知名度があり、時計内部のメンテナンスさえ怠らなければ何十年も使い続けられることが魅力です。ここではその歴史と人気の理由、名前の由来とロゴに関する豆知識についてご紹介します。

1905年創業の腕時計ブランド

ロレックスは、100年以上の長い歴史を持つ老舗の時計ブランドです。もともとはイギリスで設立されましたが、1907年にスイスに拠点を移しています。創業当初は、主に高級なレザーケースに入ったトラベルウォッチを輸入販売していましたが、軍やスポーツ選手を始めとして女性からの腕時計への需要が次第に高まったことから自社による時計の製造を始めました。当時は懐中時計が主流でしたが、これからの時代の先を読む優れた先見の眼で、懐中時計に代わる利便性の高い腕時計に着目したことが今日の繁栄の礎となっています。

そのポイントは各パーツをケースにねじ込み式にしたことで、現在の高級時計の基本ともなりました。更に気密性と防水性に優れたケースも製造していますが、これは腕時計で初めて実用化したもので特許も取得して現在に至ります。これらの他にも時計の動力であるゼンマイを腕の振りの動きに合わせ、左右に360度回転させることで意識せずに巻き上げを行う仕組みや、今では当たり前になった日付が替わると同時に文字盤のカレンダーも切り替わる機能を開発しブランドとしての位置を確立します。その品質と精度の高さは他のメーカーを秀でるもので、高級腕時計の名声を得ることに成功しました。

現在も変わらない人気の理由とは

一般的な高級腕時計は本体価格はもちろんですが、メンテナンスの費用に関しても高額というイメージがあります。しかし、ロレックスの腕時計はオーバーホールの基本料金はスタンダードな時計で3万円程度となっていることが特徴です。部品に関しても製造終了後から25年を保有期間としており、本社に依頼することでいつまでも使い続けることが可能となっています。そのため「財産」としての価値も高く、慢性的な品薄状態が長期的に継続していることから価格の上昇を支え続けていると言われています。これだけはっきりと価格が上昇し続けるものというのは世の中に数えるほどしかなく、今や投資対象として売り買いをする人も少なくありません。腕時計離れが進んでいる昨今ですがロレックスに関してはその概念が当てはまることはほとんどなく、将来プレミアが付くであろう腕時計を新品で手に入れようとする人が後を絶ちません。実用時計としては大変高価ではありますが、その品質や耐久性を考えると価格とのバランスが非常に優れていることが創業当時から変わらない人気の理由と言えます。中古品についても専門ショップでは多くの常連客を抱えており、常に希少性の高いモデルの購入希望者がいる状態となっています。

名前の由来とロゴの王冠に関する豆知識

ブランド名である「ROLEX」は、1908年に商標登録されましたが、その名前にはいくつかの由来があります。定説では文字盤に刻印された際にきれいに見えることと、世界中のどこの国の言葉でも発音しやすく印象に残りやすい文字列であるというものです。また、「類まれなる時計」という意味の「hoROLogoEXtraordinaire」や、機械的な動作を意味する「ROLLING」と、無限を意味する「EX」を組み合わせた造語であるという説もあります。そして先端が長く伸びていることが特徴の王冠のロゴですが、これは時計職人たちの手がモチーフとなっています。工房時代から真摯に高性能な時計を作りつづけている時計職人たちに対して尊敬と敬意を表しており、職人の手こそが王冠であるという意味を持っています。

また、このロゴが文字盤の上部の他にガラスの6時の位置に透かしで入っていることをご存知でしょうか。大変に小さく肉眼ではほとんど見ることができませんが、これは「模造品対策」と言われています。製造年代が古い時計には入っていませんが、1999年以降から徐々に採用されるモデルが増え、2003年からはほぼ全てのモデルに採用されています。

新品で保管することが最も資産価値を保つ方法ではありますが、非常に魅力的な腕時計でもあります。もし入手することができるのであれば、腕につけて日々の行動を共にすれば自分の気持ちも高まりますし、周囲の人々の反応も変わるかもしれません。なかなか困難ではありますが、腕時計好きなら財産という意味も含めて手に入れたいブランドと言えるでしょう。
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